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入れ! 打球の行方を目で追い、祈りながら一塁へ走った。
二回二死一、三塁の好機。巨人・鈴木尚が西武先発・石井一の122キロのスライダーを左翼席に運んだ。貴重な追加点となる3ラン。4-0だ。原監督はベンチで目をまん丸に見開いた。驚きの一発。快足核弾頭はゆっくりとダイヤモンドを回った。
「外から入ってくるスライダー。よくファウルにならず(スタンドに)入ってくれました。原監督に感謝ですね」
自身初のシリーズ本塁打。試合前の練習で、原監督から「もう少し(軸足の)右足にタメをつくって打て」とアドバイスされた。ボールにうまく力が伝わり、想像以上に打球が飛んだ。
先制点も鈴木尚がもたらした。一回、石井一の初球を右翼線二塁打。木村拓の遊ゴロの間に三塁を陥れると、続く小笠原の打席で暴投の間に生還した。わずか3球で得点。武器である"足"も生かし、ベテラン左腕のリズムを崩した。
2日の第2戦で死球を受け、左手を打撲した小笠原も「3番・三塁」で強行出場。痛みが残り、前日3日はフリー打撃もできない状態だったが、気合で乗り越えた。
六回にはラミレスが左翼席に2試合連続の本塁打を放ち、5-0とリードを広げた。気温13度と底冷えのする西武ドームだが、G党は回を追うごとにヒートアップする。
1点差に迫られた八回には小笠原だ。左手の痛みに耐えながらこん身のフルスイング。弾丸ライナーで右翼席に運んだ。これで6-4。核弾頭に主砲2人。強力打線がかみ合ってきた。
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